↑「ほうれい線」を簡単に改善する方法(YouTube動画でも解説しています)
ほうれい線をメスを使わずに改善する場合、クリニックで受ける「注射でできる施術」の人気が高まっています。注射系のほうれい線の施術は主に3種類ありますが、効果が出るまでの期間は違います。そして、それぞれに異なった良い面と悪い面を持っています。
この記事ではほうれい線を「注射で改善する施術」を3種類、具体的にご紹介していきます。それぞれの施術の「効果」と「値段」、そして「メリット」と「デメリット」をふまえて検証してみました。
ほうれい線を注射でなんとかしたい!と思う方はぜひ参考になさってください。
目次
1.「切らないほうれい線治療」として人気が高い注射系の施術
ほうれい線も含め、顔のシワ取り治療といえば、以前はフェイスリフトが第一選択でした。しかし、プチ整形といわれる注射系の施術が登場してからは、ダウンタイムが少なく人に気付かれにくいという理由で、忙しい女性に特に人気となっています。
実際、顔の中央部にあるほうれい線は、髪の毛の生え際を切るフェイスリフトでは効果が及びにくいという理由から、今は注射での治療が多くなっています。
1-2.注射系のほうれい線治療は、溝を埋める、体内に取り込む、脂肪を溶かすの3種類
注射でほうれい線を改善する場合、施術方法として代表的なものは次の3種類があります。
①注射でほうれい線の溝を埋めて目立たなくする・・・「ヒアルロン注射」
②注射で体の中からほうれい線を改善する・・・「プラセンタ注射」
③ほうれい線の上側の脂肪を溶かして目立たなくする・・・「BNLS注射」
注射でほうれい線の溝を埋める
この画像はあくまでイメージです。こんな感じでほうれい線の溝を埋める発想の治療法として、ヒアルロン酸の注射がよく行われています。
同じく溝を埋めるものとして、昔はコラーゲン注射が流行っていましたが、現在はアレルギー発生率がダントツで低い、ヒアルロン酸注射が主流となっています。
ヒアルロン酸は皮膚の真皮にもともと備わっている保湿成分。たったの1g中に6リットルもの水分を抱え込むことができる優れた保水能力を持っていることで知られています。そうしたヒアルロン酸のすごい能力が、お肌のハリを支えてくれているのです。
このヒアルロン酸を頬の窪み部分に注入して、真皮の内側からふっくらさせることで、ほうれい線を目立たなくするのがヒアルロン酸注射でのほうれい線治療です。もともと体内にある成分を注入するわけですから副作用の心配がほとんどなく、安全性が高い処置と言われています。
注射で体の中からほうれい線を改善する
プラセンタを体内に取り込むことで真皮のコラーゲンやエラスチンを増やすことを目的に行われる治療法です。プラセンタ療法といわれています。注射で体内に取り込む場合と、カプセル状のサプリメントとして取り込む場合があります。
プラセンタ注射薬は厚生労働省に認められている医薬品で、人の胎盤を使用して作られています。赤ちゃんが育つゆりかごとなるプラセンタはまさに生命の源。細胞が育まれる豊富な栄養素がたっぷりとつまっています。
プラセンタの成分には、成長因子、アミノ酸、ビタミン、酵素があり、細胞の新陳代謝を促して細胞の増進・促進をさせます。これを注射して体内に直接取り込むことで、様々な体の不調を整えたり、肌のハリを体の内側から生み出すことにつながります。そのためプラセンタ注射では肌にふっくらとした弾力を取り戻し、ほうれい線を改善することが期待できるのです。
現在日本では、メルスモンとラエンネックの2製剤が薬事法の承認を受けています。
ほうれい線の上側の脂肪を溶かして目立たなくする
ほうれい線は、溝の上側が膨らんでいることで余計に目立ちます。その膨らんでいる部分の脂肪を直接溶かす治療で、BNLSという最新の注射が登場しています。
BNLS注射は植物から抽出した成分を主成分とした脂肪溶解注射で、主な成分はチロシン、サポニン、αリノレン酸、ヒバマタ、オキナグサ、カラクサケマン、メチルプロパンジオール、マンヌロン酸メチルシラノールなどです。
小顔ブームはまだまだ続いる様子。BNLSはフェイスラインの脂肪を溶かして、小顔になりたいという女性の注目を集めています。ほうれい線より上部の脂肪にこのBNLS注射を使うことで、頬の重さを軽量化しつつ段差を少なくして、ほうれい線を目立たなくすることを目的にしています。
2.ほうれい線を注射で治療|効果と値段
それでは、それぞれの施術の効果と値段をみてみましょう。
2-1.ヒアルロン酸注射
ヒアルロン酸製剤の例「レスチレン」
ヒアルロン酸は、N-アセチルグルコサミンとグルクロン酸とによって構成された高分子の物質です。ヒアルロン酸はもともと人間の体内に存在しているものなので、アレルギーの心配はほとんどないとされています。
ヒアルロン酸注射でほうれい線を治療する実際の手順は「 ほうれい線へヒアルロン酸注射の効果と失敗しないための対策 」に詳しく書いていますので参考にしてください。
ヒアルロン酸注射の効果
ほうれい線の溝にヒアルロン酸を注入することで、口周りの段差をなくします。若々しいお肌のハリやボリュームがアップして溝が埋まることで、ほうれい線が目立たなくなります。
ヒアルロン酸注射の値段
ヒアルロン酸注射の値段は、ほうれい線の溝の深さにより異なります。1ccが1アンプルで、相場は1アンプル3~5万円ほど。軽い~中程度のほうれい線は、1~2アンプルで済みますが、かなり深いほうれい線の場合は、3~4アンプルは必要で、9~20万円となります。
ただし、40代でそこまで深いほうれい線はまれなので、だいたい10万円前後とみてよいと思います。
2-2.プラセンタ注射
プラセンタ注射薬は新陳代謝を促して細胞の増進・促進を促すことから、肌の弾力の元を生み出す線維芽細胞の活性化が期待できます。線維芽細胞(せんいがさいぼう)とは、美しい肌を生み出すためには最も大切な細胞です。まさに新しい皮膚の芽となっている細胞で、真皮内に存在しています。
私たちの肌でハリや弾力を保っているコラーゲン線維、エラスチン線維、ヒアルロン酸など、肌を支える多くの組織を作り出しているのがこの線維芽細胞。プラセンタに含まれる豊富な栄養素がはこの線維芽細胞にはたらきかけます。
プラセンタ注射の効果
プラセンタを注射により体内に投与することで、肌の弾力アップや美白、保湿力アップの効果があるといわれています。ほうれい線は肌の弾力不足により悪化しますので、成長因子を含むプラセンタを体内に取り込むことは有効です。
注射の方法は、皮下注射や筋肉注射となります。静脈注射はせっかく取り入れた有効成分が排泄されやすく、また副作用が出やすいという理由で現在あまり行われていません。
プラセンタ注射の値段
プラセンタ注射は、慢性肝疾患や更年期障害の治療に保険適応が認められています。ただし、美容目的では保険適応外となり自費治療となります。
1アンプル1000円から3000円で、1回につき1~3アンプル使用することが多いです。最初の2か月間は毎週、その後2週間で1回の注射で効果が持続します。2週間に1回通院すると、1回に料金が8,000円かかるとして、月にかかるのは16,000円くらいになります。
2-3. BNLS注射
BNLSは、植物から抽出した成分を主成分とした脂肪溶解注射です。脂肪分解作用、血行促進、リンパ流れををよくする作用と、分解された脂肪を体外へ排出させる作用を併せ持っています。
BNLS注射の効果
従来の脂肪溶解注射は効果が出るまで3週間程度かかったのに対し、BNLSは約3日で効果が現れるといわれています。ほうれい線の上のふくらみ部分に注射して、段差を目立たなくします。
BNLS注射の値段
1回の施術でも効果を期待できるようですが、クリニックでは3回程度の施術を勧めるようです。
値段を調べると、初回が、1アンプル(1cc)につき、3,000円から8,000円、2回目以降が、8,000円から15,000円。クリニックによりかなり値段に差があるようです。
ほうれい線の上の部位にBNLS注射を1本ずつ、計2本注射する場合、3回で合計、19,000円から38,000円かかる計算です。
3.それぞれの注射のメリットとデメリットを検証
それでは、それぞれの注射のメリットとデメリットを私になりに検証してみます。
プラセンタ注射の検証
まずはプラセンタ注射の検証から。プラセンタ注射は私も受けたことがあります。
プラセンタ注射はいわば体質改善なので、どちらかというとサプリメント的な効果程度だと考えます。私も以前プラセンタ注射に通っていたことがありますが、最初のうちは肌の乾燥感が減り、肌ツヤがアップしたように感じました。しかし、そのうち効果が「よく分からなくなった」というのが本音です。
これってサプリメントにもいえますね。最初のころは、「お~すごい!」と思えるのですが、だんだんと調子のいい時も悪いときも出てきて、飲んでいて「これは効いているのかどうなのか?」と思うことがある。
たぶん効いているのだろう、と思いこむことにして、惰性で飲んでいる・・・そんなことがあるものです。
プラセンタも同様、肌の弾力がアップした、と思えばそうともいえるし。しかし、それにしても通院は正直めんどくさかったです。効果がある!と強く思えれば通院も苦ではないのでしょうが。
ほうれい線に本気で悩んでいる方は、プラセンタ注射に期待し過ぎるとがっかりすると思います。疲労回復や肩凝りには良かったです。
ただし、プラセンタの注射を受ける際に同意書が必要です。原料の胎盤の検査はきちんとしているが、実際、胎盤という胎児の付属物、いわば臓器が原料である以上、予期せぬことがおこる可能性も否定できない、ということなんだと思います。あくまで自己責任の治療なのです。
またプラセンタの注射を受けている人は献血ができません。
BNLS注射の検証
BNLS注射は、私自身、受けたことがありません。もちろん旧タイプの脂肪溶解注射も受けた経験がありません。
従来の脂肪溶解では顔が腫れるなどダウンタイムが大きかったのですが、このダウンタイムがあまりないのもBNLS注射による脂肪溶解のメリットの1つです。しかし、脂肪溶解にはデメリットやリスクもあります。
コンサルティングで、脂肪を溶かすタイプの治療を受けてしまって後悔した、とおっしゃる方が数名おられました。その方たちは、頬のたるみを取るために、頬の下に脂肪溶解注射を打ったとのこと。
結果、頬の脂肪が極端に減ってしまい、かえって頬が垂れ下がってしまったというのです。
これらのことから、BNLS注射など、脂肪溶解注射の類は、肌に弾力、ハリがあり、脂肪がたっぷりある比較的若い年齢に向いた施術だと思われます。ある程度の年齢の人、特に顔にたるみがある人は、脂肪を溶かすことで、逆に皮膚があまって悪化する恐れがあります。
例えば、ほうれい線にBNLSを注射する場合、「ほうれい線の上のふくらみに注射する」のが標準のようですが、この部分の脂肪がなくなると、あまった皮膚がさらにほうれい線の上に乗っかる形になり、ほうれい線の溝ではなく、二つ折りになったほうれい線になる可能性があるかと。
顔にある脂肪は、ある意味、ハリを保ってくれる貴重なもの。これを安易に人工的に取り除くことは、予期せぬ不具合が生じないとも限りません。
またヒアルロン酸注射と違い、脂肪溶解注射には、失敗した時の回復の治療法がありません。せいぜい、脂肪注入(他の部位から吸引した)ぐらいです。溶解した脂肪は元に戻すことはできません。
元に戻らない治療なら、プチ整形とはいえないし、またBNLS注射はまだ新しい治療法なので不安がぬぐえず、私はお勧めできません。
4.ほうれい線に確実な効果が望めるのはヒアルロン酸注射
その点、ヒアルロン酸注射は失敗したときにも分解注射がありますし、ヒアルロン酸は体内に存在する成分なので、いずれは吸収してなくなってしまいます。万一のことがあっても元に戻せる、というのが大きなメリットです。
BNLS注射などのように脂肪を溶解するのではなく、溝を埋めるので、弾力がなくなった肌に疑似的にハリを与え、若々しい雰囲気になります。
即効性があることもメリットでしょう。注射をうつだけのほんのわずかな処置時間で、その場でほうれい線部分の溝がふっくらとしていることが確認できるので、効果を実感しやすくもあります。
ただ、ほうれい線の溝を埋めて膨らませるので、場合によっては顔が大きくみえることもあります。その点はデメリットといえますね。
ただし、ヒアルロン酸は症例数も多く、長い期間にわたり研究がなされているので、医師の選択さえ間違わなければ、ほうれい線の改善にもっとも効果が現れる注射だと思います。
5.まとめ
ほうれい線を注射で治療するさまざまな方法について検証してまいりました。
それぞれメリットデメリットがありますが、総じていえることは、どの注射にしても、ある程度の金額がかかることです。
注射以外の方法で、自分でお金をかけずにほうれい線を改善したい人は、「 ほうれい線を消す!自分でできる今すぐ若く見せる方法 」を参考になさってください。
また注射をする場合は、この記事を参考にされ、それぞれの施術の特性をしっかりと理解した上、さらにクリニックでの説明をよく聞いてから実施されるとよいと思います。
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