ほうれい線(法令線)ができる原因と改善法

↑「ほうれい線」を簡単に改善する方法(YouTube動画でも解説しています)

ほうれい線はとても気になるものです。鼻から口に伸びるハの字のシワができると、自分の顔が急に老けた気がしてとても悩んでしまいます。では、ほうれい線ができてしまった原因はなんでしょうか?

ほうれい線はなにもしないで放っておくと、どんどん目立つようになります。こちらの記事には、ほうれい線ができる原因を詳しく書いています。一日も早く原因を知り、対策を取ってまいりましょう。

↑私が実践している美肌を維持する方法(YouTube動画で解説しています)

1.ほうれい線の原因を知れば、悪化を食い止めることができる

ほうれい線ができてしまうのには、必ず何らかの原因があるものです。原因を知り正しく対処すれば、今以上悪化すことを食い止めることができる上、改善することができます。

1-1.ほうれい線は、完全にシワになる前の「溝」であることがほとんど

意外と知られていないのが、本当にほうれい線ができてしまった!と思っても、実は完全にはまだシワになっていないということ。

ここで一つ実験をしてみましょう。方法は簡単です。気になっているほうれい線の部分に空気を入れて、膨らませてみてください。

くちに空気を入れている画像
ほうれい線のある部分に空気を入れてふくらませてみよう

いかがですか?あら不思議、なめらかでシワの無い皮膚が出てきましたね。

この実験から、ずっとほうれい線の「シワ」だと思っていたのに、「完全にはシワになっていない」のを確認できると思います。

ほうれい線部分の綺麗な皮膚の画像
ほうれい線の本シワにはなっていない。綺麗な皮膚が出てきた

1-2.今の溝のうちに手を打つと、本ジワに移行しない

この実験からも分かるように、ほうれい線に悩んでいるほとんどの人が、まだ本シワまで至っていません。

私のレッスンでも、ほうれい線に悩む方に同じ実験をしてもらいますが、皆さん、ほうれい線だと思っていたのに、まだ綺麗な皮膚のままであることが分かり、とても安心されます。

1-3.軽い線になっていても、まだ改善の余地がある

一方、空気を入れても、うっすら軽いシワが入っている、という方も、まだまだ改善の余地があります。

軽いほうれい線の画像
空気を入れてみると・・・

ほうれい線の軽いシワの画像
軽いシワが残っている

上の画像のような軽い線の場合も、まだ初期症状ですので、改善の可能性が十分あります。ようは、完全に二つ折りになった深いほうれい線以外なら、原因を知って正しく対処すれば、改善できるのです。

1-4.50代までの年齢で完全な二つ折りのほうれい線が出来ているのは理由がある

50代で完全に二つ折りの深いシワになっていることは、まれです。ただし、50代までの年齢にかかわらず、すでにはっきりと深いほうれい線がある場合は、それなりの理由があるはずです。

ほうれい線のイラスト
笑っていないのに深く刻まれたほうれい線

上の実験のように空気を入れてみても、かなり深いほうれい線が残る原因については、4章で詳しく述べさせていただきます。

ほうれい線は、完全なシワになる前に原因を知り、対処すれば、本ジワに発展することを防いでくれます。これから、ほうれい線の溝が出来た原因をお伝えします。ぜひ参考にしてください。

2.ほうれい線の主な原因は3つ

ほうれい線ができる原因は主に次の3つが考えられます。心当たりはないかしっかり確認してみてください。

2-1.加齢による真皮の変化が原因

1つ目の原因は、加齢です。まず加齢でどうしてほうれい線ができるのか、その理由をお話しいたしましょう。

弾力がある肌の断面図(イメージ)
弾力がある肌の断面図(イメージ)

皮膚の深部にある真皮には、肌の弾力をつかさどるコラーゲン、エラスチンという線維がはりめぐらされています。固いコラーゲンが網目の形となってよろいを作り、よく伸び縮みをするエラスチンがコラーゲンの網目をつなぎ合わせることで、はずむようなお肌のハリができあがるのです。

コラーゲンやエラスチンといった弾力線維は、真皮内にある「線維芽細胞」(せんいがさいぼう)と呼ばれる弾力工場のはたらきで作られます。「線維芽細胞」が元気に働いているから、ピンと張ったお肌を保っていられるのですね。

しかし加齢によって、コラーゲンやエラスチンを生み出す線維芽細胞は数が減ったり、機能が衰えたりしてしまいます。すると肌のハリや弾力は急激に失われてしまうことになります。

シワの断面図の画像

シワができた皮膚の断面図

笑顔など表情を作っても、肌にハリがあればピンと跳ね返して元に戻りますよね。コラーゲンやエラスチンが足りずに弾力が弱くなってしまった皮膚では、表情の癖が戻りにくくなります。そのため、頬から口の周りの皮膚に日ごろの表情ジワが定着しやすくなって、ほうれい線が出来てしまうのです。

2-2.筋力の衰えで頬が下がったことが原因

ほうれい線が出来てしまう2つ目の大きな原因は、顔の筋肉の衰えで頬が下がったことです。

顔には、約30種類の筋肉がはりめぐらされています。これらは表情を作る筋肉のため、「表情筋」と呼ばれています。

表情筋のイラスト画像
顔には約30種類の表情筋がある

しかし、皮膚の衰えと同じく、表情筋も加齢とともに弱って弾力を失っていきます。加齢だけでなく、日ごろ笑顔が少なかったりして筋肉を動かさないと、余計に筋肉が下がりやすくなります。

実は表情筋のほとんどが日常であまり多く使われていません。人間の持つ筋肉はとても落ちやすく、2日間寝ているだけでも全身の筋力は大きく低下します。顔も同じですから、ほとんど笑わない日が続いてしまうとどうなるでしょうか?引っ張り上げる表情筋の力が弱まりますから、ハリを保つゴムがたるだように、下へ落ちてしまいますよね。

特に顔の中では頬に脂肪がもっとも多くついています。たっぷりとついた頬の脂肪を弱った表情筋が支えきれなくなって下垂すると、口横にほうれい線の溝ができやすくなってしまいます。

ほうれい線に関係するのは、特に頬の筋肉と口の筋肉です。これらの筋肉を鍛えれば、ほうれい線の予防と改善が叶います。

2-3.生まれながらの骨格が原因

3番目の原因は、骨格が原因です。若いうちからほうれい線に悩む方は、ほうれい線ができやすい骨格であることがあります。

ほうれい線ができやすい骨格①口周りが前に出ている

ほうれい線の画像

※ほうれい線が分かりやすように、あえて目の周りを隠しています。

例えば、口が少し前に出たような骨格。口を動かした時に頬との境界線に負担がかかりやすく、ほうれい線が目立つようになります。

ほうれい線ができやすい骨格②面長や細面、逆三角形の骨格

ほうれい線ができやすい骨格の画像

面長や細面であご部分がすっきりととがっている人も、ほうれい線ができやすい顔型です。反対にエラがはっていたり、顎関節付近がしっかりしている四角型の骨格をしている人は、ほうれい線ができにくい顔です。耳の下のエラ部分には咬筋(こうきん)という咀嚼筋があり、この部分の筋肉が顔のたるみを支えてくれるからです。

エラ部分がないすっきりとした顔立ちの場合は、頬のたるみに受け皿がなくダイレクトに真下へ下がるため、ほうれい線ができやすいのです。

ほうれい線ができやすい骨格③堀の深い骨格

ほうれい線ができやすい骨格の画像

日本人には全体的に堀が浅く凹凸の少ない骨格の人が多いですが、中には堀の深い美人さんもいます。例えば、鼻が高く目のあたりはくぼんでいるタイプの顔。

顔の皮膚は一枚皮でつながっているため、凹凸が大きくて目鼻立ちがしっかりしていると、それだけ表情を変える時に皮膚が大きく移動します。そのためシワが刻まれやすく、ほうれい線が目立ちやすいのです。

骨格は生まれながらのものなので、骨格自体を変えることができませんが、日常生活を工夫することで、悪化を防ぐことが出来ます。

3.ほうれい線の改善法

それでは、ほうれい線の原因を理解したところで、次はそれぞれの原因に対応した改善法をお伝えしたいと思います。

3-1.真皮の衰えが原因になっている場合の改善法

紫外線のイメージ画像

まずは、顔を紫外線にさらさないことが重要です。

地上に届く紫外線には、紫外線A波(UV-A)と紫外線B波(UV-B)がありますが、このうち紫外線A波は雲や窓ガラスを通過するばかりではなく、肌のバリアも通過して真皮にまで届きます。

肌の深部にまで届いた紫外線A波は、真皮でハリを作っている弾力工場「線維芽細胞」を攻撃。さらにコラーゲン繊維をプツプツとちぎってしまうので、コラーゲンが破壊され、顔の皮膚に弾力が無くなってしまいます。

さきほど、ほうれい線の原因の一つに、皮膚の真皮の衰えがあるとお伝えしましたね。皮膚の弾力を司っている「線維芽細胞」の減少はそれ自体が、老化にともなう現象ですので、食い止めることが難しいです。

ただ、少しでも線維芽細胞の負担になる要因をしっかりと無くしていくことはできるはずです。

紫外線を避けるために、家の中で1日過ごすときも日焼け止めをきちんとつけましょう。また外出時は日傘や帽子で顔を完全に紫外線から守るとよいでしょう。どれだけ紫外線対策を徹底できるかが、ほうれい線改善のカギとなっていきます。

日傘をさしている女性の画像
これぐらいに紫外線対策を徹底することをおすすめします!

3-2.表情筋の衰えが原因になっている場合の改善法

表情筋の衰えが原因になっている場合は、頬と口周りの筋肉を徹底的に鍛えていきます。

1、頬の筋力アップ)

頬の表情筋には、笑顔になる時に頬をひっぱり上げている「大頬骨筋」(だいきょうこつきん)と「小頬骨筋」(しょうきょうこつきん)があります。

大頬骨筋の画像
大頬骨筋(だいきょうこつきん)

「大頬骨筋」は口の端からこめかみにかけて斜めに伸びている頬の筋肉です。頬骨を上げて思い切り笑ってみましょう。この時に口元をひっぱり上げているのがこの大頬骨筋です。この筋肉が弱まると頬から口元の脂肪が支えられずに垂れ下がるため、ほうれい線が出来てしまいます。

小頬骨筋の画像
小頬骨筋(しょうきょうこつきん)

「小頬骨筋」は上唇から目尻にかけて伸びている筋肉。上唇から頬をぐっと引き上げる役割をしているのがこの「小頬骨筋」です。「大頬骨筋」と共に、頬をリフトアップさせるのには欠かせない筋肉です。ほうれい線のできる口元に直接影響する表情筋ですから、しっかり鍛えることでほうれい線にアプローチしていきましょう。

2、口周りの筋力アップ)

口輪筋の画像
口輪筋(こうりんきん)

口の周りをぐるっと囲んでいる「口輪筋」という表情筋があります。この筋肉は母乳を吸う時などによく使われていましたが、成長するとほとんど使われることがなくなるため、自然に衰えていく筋肉でもあります。

口がぽかんと開きやすいという人は、口輪筋がとても弱っているかもしれません。しっかりと鍛えておきましょう。口輪筋を鍛えることで、ほうれい線のある口周りにハリを出すことができます。

 この2つのアプローチでほうれい線のできない顔をめざしていきましょう。

頬の筋力アップの方法

それでは、頬を筋肉を鍛えるトレーニング法をお伝えします。

1、軽く口をとがらせます。

2、上はぐきをむき出すようにしながら頬の上部にぐっと力を入れます。

●時間・・・頬上げ1分間 → 鼻の下のばし5秒間 慣れたら頬が疲れるまでやると効果的

 

●トレーニングのコツ・・・頬は真上に向かって上げます。

口周りの筋力アップの方法

ほうれい線は鼻横から口にかけて折り込まることでできますね。口周りの筋肉を鍛えて口周りを固く固くすると、ほうれいの線が付きにくくなります。

理由は、固い部分は折れにくいからです。試しに、口を閉じたまま、上唇と下唇をぐっと押し合ってみましょう。

ほうれい線を消すトレーニング画像
上くちびると下くちびるをぐっと押し合う

 それから、その状態でほうれい線部分の皮膚を指で押してみてください。皮膚が固くなっているのが分かります。

ほうれい線の上を押している画像
くちびるを押し合ったまま指でほうれい部分を触ると、固くなっているのが分かる

 皮膚の下にある口周りの筋肉、「口輪筋(こうりんきん)」をしっかりと鍛えれば、ほうれい部分が折れにくくなり、次第に刻まれた線も薄くしていくことができます。

それでは、口周りを鍛えるトレーニングを一緒にやってみましょう。頬のトレーニングより簡単です!覚えやすいと思います。

1、上のくちびると下のくちびるを押し合う。10秒キープ

ほうれい線を消すトレーニング画像1

2、表側にくちびるを思い切りだす。5秒キープ

ほうれい線を消すトレーニング画像2

3、次は内側にくちびるを思い切り巻き込む。5秒キープ

ほうれい線を消すトレーニング画像3

●回数・・・2セット

 

●トレーニングのコツ・・・上唇と下唇を垂直に押し合い、口周りの筋肉をしっかり緊張させます。

さらに詳しくほうれい線の改善法を知りたい方は、「 ほうれい線を消す!自分でできる今すぐ若く見せる方法 」を参考にしてください。

 3-3.生まれながらの骨格が原因の対処法

口周りが少し前方に出ている顔の骨格の場合は、ほうれい線ができやすいです。理由は、ちょうどほうれい線が出来る部分が骨格上、折れやすいからです。

この場合は、表情筋のトレーニングに加え、保湿が有効です。もちろん紫外線対にも十分気を付けましょう。

骨格が原因のほうれい線の対策法は、『 あなたは大丈夫?ほうれい線ができやすい骨格と矯正方法 』を参考になさってください。

4.深いほうれい線は過度なマッサージが原因のことが多い

ほうれい線に悩む女性の画像

40代、50代でも深いほうれい線ができてしまっている方がおられます。先ほどの1章で「50代までの年齢で完全な二つ折りのほうれい線が出来ているのは理由がある」とお伝えしたと思います。

実はそういう方に限って、美容にとても興味がある場合が多いのです。特に美容のためにせっせと行っているマッサージが、深いほうれい線の原因になっていることがあります。

最近は美容情報が氾濫したことにより、かえってほうれい線を深くしている例が増えているので、あえてこの別項目でお話しさせていただきたいと思います。

4-1.マッサージによる刺激がほうれい部分の皮膚をたるませている

ほうれい線など、顔に悩みが出来ると、マッサージの際、つい指に力が入ったり、回数を多くしてしまいがちです。指で皮膚を色んな方向へ移動することは、結果的に皮膚を伸ばし、ほうれい線をどんどん深くしてしまいます。

強いマッサージ、特に骨に当たるほど強く指を動かすと、確かに一時的には顔のむくみが取れて、スッキリしたように見えますが、皮膚は間違いなく指をすべらせた方向に伸びてしまいます。

マッサージをしている女性の画像
過度なマッサージが原因でほうれい線が深くなることがある

何年も同じ部位に強くマッサージを続けている人は、その部分にたるみが生じていないかよく観察してみてください。

もし皮膚がマッサージする前よりたるんでいる(ほうれい線が深くなっている)ことに気づいたら、そのマッサージ法はその人に合っていないということです。1日も早くその方法をやめることをお勧めします。

 マッサージに使用する化粧品にも注意が必要です。合成界面活性剤が多く配合されているマッサージクリームは、結果的に皮膚のバリアを壊して乾燥を招き、ほうれい線を深くする原因となります。

5.ほうれい線の原因と改善法まとめ

ほうれい線は、気づいた時が改善するための良いタイミングです。ほうれい線ができる原因を知り、きちんと改善に向けて対応できるかどうかがに、今後、悪化するか、気にならなくなるかの分かれ道となります。

日常生活の中にほうれい線を作るような行為がないかしっかりと見直すこと。悪い習慣なら思い切ってやめましょう。そして、ほうれい線に関連する、頬と口周りの筋肉をしっかりと鍛え、真皮の弾力を奪ってしまう紫外線対策をしっかりと行います。

ほうれい線の原因を知って早目に対処することが大切です。

なお、どのタイプのほうれい線も、十分な「保湿」がほうれい線をこれ以上悪化させないために大切です。ほうれい線対策の保湿の仕方は『 ほうれい線は乾燥で悪化する!潤いキープで消すセルフケア法 』で説明していますので、こちらの記事と併せてぜひ参考になさってください。

↑私が実践している美肌を維持する方法(YouTube動画で解説しています)

 

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします

Twitter で若見えラボをフォローしよう!

おきゃんママ流たるみ改善3大セオリー ステップ1 【顔の重心を上に上げる!】 「たるみ改善プログラム」
ステップ2 【 その引き上げを維持する 】 コラーゲンで真皮の弾力アップ!
ステップ3 【 斜め毛穴の下垂を防ぐ 】 無添加化粧品でケミカル断ち!
実践された方からの(比較画像満載) 嬉しいお便り
●筆者(加藤ひとみ)の実体験ブログ 整形なしで若返るブログ

ABOUTこの記事をかいた人

ハリのある日々で美しく|たるみ改善メソッド「顔ダンス」考案者|日本セルフリフティング協会代表理事|著書▶︎「たるみが消える!顔ダンス」「顔ダンスで即たるみが上がる!若返る!」|メディア紹介▶︎「an・an」「セブンティーン」他|YouTube:チャンネル登録31万人|Instagram:フォロワー3.4万人|Threads:フォロワー7000人|【無料】たるみ改善プログラムはこちら|お仕事の依頼はお問い合わせフォームまで