- ほうれい線にボトックスを注射したいけど、失敗したらどうしよう?
- 「しわにはボトックス」というイメージはあるものの、ほうれい線にも効くのかな。
ほうれい線で悩まずに「ピン!」と張った状態を維持し、イキイキとした表情で毎日を楽しみたいですよね。
結論から言いますと、ほうれい線解消のためにボトックスを打つのはおすすめできません。
ボトックスが有効なのは、表情を作るときに筋肉が動いてできる以下のような「表情じわ」だけだからです。
- 目尻のしわ
- 眉間のしわ
つまりほうれい線のような「固定しわ」には効果がなく、失敗する可能性が高いといえるでしょう。
ここで、「もう治らないのではないか……」と感じたかもしれません。
しかし、以下のように、ほうれい線を改善できる方法はたくさんあります。
- ヒアルロン酸注入
- レディエッセ
- PRP再生療法
- RF(ラジオ波=高周波エネルギー)
- 表情筋トレーニング
たるみ改善コンサルタントの私が、それぞれの方法についてこの記事で詳しく解説します。
ぜひ、最後まで読んでみてください。
この記事を書いた人
- 加藤ひとみ(おきゃんママ)
- たるみ改善コンサルタント
- 「たるみが消える!顔ダンス」の著者
- YouTube:チャンネル登録33万人
- Instagram:フォロワー3.8万人
目次
ほうれい線にボトックスを注射したら失敗する!その理由とは
先ほど紹介したように、ほうれい線にボトックスを打っても、期待した効果はほとんど得られません。
それどころか、かえって顔がたるんだりゆがんだりすることになり「失敗」に終わります。
さらに、ボトックスは一度注入すると治せないもの。
ボトックスが効いている3ヶ月から半年の間は、ゆがんだ顔でガマンしなければなりません。
このように、ほうれい線にボトックスを打つとなぜ失敗に終わるのか。
その理由を詳しく紹介します。
- 筋肉に作用するアセチルコリンの伝わりを弱める
- 顔の下半分がたるむ
- ほうれい線の原因は「しわ」ではない
理由①:筋肉に作用するアセチルコリンの伝わりを弱める
ボトックスは、ボツリヌス菌から抽出されるたんぱく質の一種。
「アセチルコリン」という、神経伝達物質の伝わりを弱める働きがあります。
よって、ボトックスを打った周辺の部位は、筋肉を動かそうとしても動かせない状態になります。
理由②:顔の下半分がたるむ
口横のほうれい線にそってボトックスを注入すると、顔の上半分は普通に笑えますが、顔の下半分はほとんど動かせなくなります。
下のイラストは、顔をくまなく覆っている「表情筋」の分布図です。
顔には表情をつくるためにたくさんの筋肉があり、口の周りには「口輪筋(こうりんきん)」という口の周りを取り囲んでいる筋肉があります。
そして、このイラストで分かるように、ほうれい線ができる位置の真下に口輪筋があります。
口輪筋は、頬を引き上げる筋肉(大頬骨筋・小頬骨筋・上唇挙筋など)の上に一部が重なっていますね。
では、ほうれい線のできる口横にボトックスを打つとどうなるかというと……。
上の画像にある黄緑色の線のように、口輪筋にボトックスの注射液が入ります。
先ほども紹介しましたが、ボトックスによって筋肉は動きにくくなるもの。
つまり、笑顔を作ったときに、ボトックスの作用していない深い場所の頬の筋肉は普通に上がるのに、口輪筋の横から下にかけてはボトックスが効いて筋肉があまり動きません。
その結果、ボトックス効果がなくなる3ヶ月から半年の間は「顔の上半分は上がって、下半分は真顔のまま」というおかしなことになります。
笑顔になるのが嫌になると、ますます気分が上がらないですよね。
理由③:ほうれい線の原因は「しわ」ではない
ボトックスは目尻や眉間のしわのような「表情筋によって生じるもの」には効果が期待できます。
一方で、ほうれい線は「頬の脂肪が下がったり皮膚の弾力がなくなったりして生じる溝」のこと。
つまり、しわと同じ治療を行っても失敗に終わるといえます。
ボトックスで失敗しないために!ほうれい線を手軽に改善するなら「ヒアルロン酸注射」
ボトックスで失敗したくないけど、ほうれい線を注射1本で改善できる方法はないかな。
そんなあなたにおすすめなのが「ヒアルロン酸の注入」です。
ヒアルロン酸は、「N-アセチルグルコサミン」と「グルクロン酸」で構成された高分子の物質です。
真皮層にヒアルロン酸を注入した結果、ほうれい線の溝上の凹みが持ち上がります。
また、ヒアルロン酸はボトックスと違い「いざというときに分解する『ヒアルロニダーゼ』という注射がある」というのも大きな特徴。
注入する位置を間違ったり膨らみすぎたりしたときでも、すぐに対処することができるのは安心ですね。
ヒアルロン酸注入の詳しい手順や料金、効果の期間については、「ほうれい線へヒアルロン酸注射の効果と失敗しないための対策」の記事で解説しています。ぜひ読んでみてください。
皮膚科でできる!ヒアルロン酸注射以外のほうれい線治療法
また、ボトックスやヒアルロン酸以外にも、皮膚科で受けられる治療法がいくつかあります。
この章では、以下の3つをピックアップし、詳しく紹介します。
- レディエッセ
- PRP皮膚再生療法
- RF(ラジオ波=高周波エネルギー)
治療法①:レディエッセ
レディエッセとは、「ハイドロキシアパタイト」を主成分とした注入剤の一種。
しわを目立たなくしたり、鼻やアゴの形成に使われたりします。
レディエッセはヒアルロン酸より固さがあるので、「かなり深いほうれい線の溝でもしっかり底上げできる」という点が魅力です。
レディエッセの効果の持続期間
レディエッセは、注入後1~2年で吸収されます。
その間は効果がゆるやかに続きますが、約1年で物足りなくなることが多いです。
レディエッセのデメリットと料金
レディエッセはヒアルロン酸より粒子が荒く固いです。
「ほうれい線の端っこなど、細かい部分の調整がしづらい」というデメリットはありますが、深い溝を大まかに埋めるのには適しています。
他にも、以下の点から「事前に局所麻酔をする必要がある」というデメリットがあります。
- レディエッセ自体に麻酔薬が入っていない
- ヒアルロン酸注入より太い針を使う必要があり、注入時の痛みが大きい
それでいて麻酔をすると腫れるので、元々のほうれい線の深さが分かりにくく、治療に多少なりとも影響が出るケースがあることも注意が必要です。
そんなレディエッセの料金は、1本1ccあたり「6~8万円」です。
軽いほうれい線は1本、深いほうれい線には2~3本必要です。
治療法②:PRP皮膚再生療法
PRP皮膚再生療法は「自分の血液を使って肌にハリを取り戻す方法」のことです。
PRPは「多血小板血漿(たけっしょうばんけっしょう)」と呼ばれ、成長因子が含まれている自分の血漿と注射の刺激がコラーゲンやヒアルロン酸を作り出す「線維芽細胞(せんいがさいぼう)」の活性化を促します。
また、PRP皮膚再生療法は「自分の血液を使うため、アレルギーの心配がない」というメリットもあります。
PRP皮膚再生療法の効果の持続期間
注入してから、1週間かけて肌のハリが実感できるようになります。
というのも、PRP皮膚再生療法は線維芽細胞を活性化させることにより「膠原繊維(こうげんせんい)のコラーゲン」「弾性線維のエラスチン」「ヒアルロン酸」を時間をかけて生成するためです。
効果のピークは1~2ヶ月後に現れ、その後1~2年にかけて効果が続きます。
PRP皮膚再生療法のデメリットと料金
PRP皮膚再生療法のデメリットは、なんといっても「血液の状態に効果が左右される」ことです。
注射直後は注射液の分量で一時的に膨らむので、ほうれい線が改善したように見えるでしょう。
とはいえ、その後に思ったより線維芽細胞が活性化されないことがあり、効果を感じにくい可能性も否定できません。
また、料金はクリニックにより異なりますが、左右のほうれい線で約20万円と少し高めです。
治療法③:RF(ラジオ波=高周波エネルギー)
ここまでは注射系の治療法を紹介しましたが、3つ目は照射系の治療法となります。
具体的には「RF(ラジオ波=高周波エネルギー)を照射する治療」です。
RFは「電気的な性質をもったエネルギー」で、皮膚の色素に影響を受けないためにエネルギーを真皮と皮下組織まで届けることができます。
ここでは代表的な「サーマクール」について詳しく紹介します。
RFの効果の持続期間
約3ヶ月かけて少しずつリフトアップします。
効果は6ヶ月ほど持続します。
RFのデメリットと料金
RF(高周波)は、真皮より深い脂肪層まで到達するもの。
そのため「頬がこけて、かえってほうれい線が目立つようになる」というケースもあるので注意が必要です。
顔に脂肪が少ないタイプの人は、注射系の治療やレーザー、I.P.L(光治療)などを活用したほうがいいでしょう。
また、料金はクリニックにより異なりますが、全顔の照射で約20万円となります。
ほうれい線を無料で改善できる「表情筋トレーニング」もおすすめ
ここまで、ほうれい線にボトックス治療が失敗する原因と、比較的手軽にできるほうれい線の治療について紹介しました。
ここで少し、ほうれい線の原因について考えてみましょう。
ほうれい線は、先ほどもお伝えしたとおり「頬のたるみで頬の脂肪が下がったこと」と「皮膚の弾力低下」が原因となっています。
つまり、「表情筋を鍛えること」でほうれい線の原因に直接アプローチできます。
表情筋トレーニングがおすすめの理由
これまで紹介してきた治療について、ほうれい線が発生する2つの原因を解消できるのかを表にまとめました。
頬のたるみの 改善 | 皮膚の 弾力アップ | |
ヒアルロン酸 レディエッセ | × | × |
PRP 皮膚再生療法 | × | △ |
RF照射 | ○ | ○ |
表情筋 トレーニング | ◎ | ○ |
ヒアルロン酸とレディエッセは、いわば「疑似の弾力を肌に与えている状態」です。
「頬のたるみや皮膚の弾力低下を根本から解消している」とはいえません。
とはいえ、レーザー治療とPRP皮膚再生療法は、真皮を活性化させてコラーゲンなどの生成を促すため、皮膚の弾力低下に働きかける効果が期待できます。
加えて、RF(高周波)の照射は、頬のたるみの改善が少し期待できます。
一方で、頬のたるみの改善にとても効果があるのが「表情筋トレーニング」。
頬の脂肪を引き上げている筋肉を強化することで、頬がリフトアップされるためです。
また、筋肉を鍛えることで直接肌の弾力が増えることはありませんが、皮膚に厚みが出て間接的に肌の弾力が増えたように感じられます。
そのため「皮膚の弾力アップ」の項目も「効果あり」としました。
今日からできる!2つのトレーニング法
表情筋トレーニングはたくさんありますが、なかでもほうれい線の改善につながる2つの方法を紹介します。
- 頬を上げるトレーニング
- 口輪筋を鍛えるトレーニング
①:頬を上げるトレーニング
頬の筋肉が弱くなると、頬と口の境目に負担が生じ折れやすくなるもの。
そこで「頬上げトレーニング」を続けて筋肉を強化し、下がっていた頬の脂肪を引き上げましょう。
1日2セット、下の画像のように「1分間頬上げして5秒間引き伸ばす」のをやってみてくださいね。
※ほうれい線の上のボリュームを、目の下に移動するようにイメージするのがコツ。
▼動画でさらに詳しく解説しています
②:口輪筋のトレーニング
上唇と下唇を垂直に押し合い、口周りの筋肉(口輪筋)をしっかり緊張させましょう。
ほうれい部分の組織が厚くなり、ほうれい線の溝が食い込みにくくなりますよ!
今から紹介するトレーニングを、1日2セットやってみてくださいね。
①上のくちびると下のくちびるを押し合う。10秒キープ
②表側にくちびるを思い切り出す。5秒キープ
③次は、内側にくちびるを思い切り巻き込む。5秒キープ
▼動画でさらに詳しく解説しています
まとめ:ほうれい線にボトックス注射をして失敗しないようにご注意を
この記事では、ほうれい線にボトックス注射だと失敗するという理由と変わりとなる方法を紹介しました。
ボトックス注射は筋肉の動きを抑える効果があり、眉間や目尻といったしわの改善は期待できます。
一方で、ほうれい線はしわが原因ではないため効果が期待ないうえに、口元の筋肉の動き抑えられるため、笑ったときに顔の下半分が真顔となります。
それでいて、ヒアルロン酸と違ってボトックスを分解する薬はなく、数ヶ月はガマンして過ごさなければなりません。
つらい思いをしないためにも、ほうれい線の解消目的でボトックス注射をするのは控えましょう。
代わりとして以下の方法がありますので、ボトックス注射以外の方法で解決しましょう。
- ヒアルロン酸注入
- レディエッセ
- PRP再生療法
- RF(ラジオ波=高周波エネルギー)
- 表情筋トレーニング
特に「表情筋トレーニング」は、ほうれい線の原因を内側から改善できるのはもちろん、無料である点も魅力です。
1日数分でできますので、この記事を見ながらやってみてくださいね!
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
関連記事:ほうれい線に強いマッサージは逆効果!おすすめの方法をおきゃんママが徹底解説
関連記事:ほうれい線に効くレーザー治療トップ5と効果の持続期間・料金の目安
最新情報をお届けします
Twitter で若見えラボをフォローしよう!
Follow @tarrumi